今日の成果を従業員に尋ねると決まって大丈夫ですとかばっちりですとか返ってくる.工場長はその言葉を鵜呑みにして良いか?信じて良いか?
品質が一定ということはまずありえないはずである.そもそも何をもって大丈夫だのばっちりだの言っているのか疑問である.
トラブルを追求すると,昔から…,以前は…と返ってくる.人の記憶は曖昧だ.都合よく解釈しているケースもある.そもそも昔だの以前だのはいつのことを言っているか疑問である.それより誰の指示かわからないが私に報告なしで何か変更していたような臭いもする.
(工場長在職中の私の大嫌いな解答例である.もう書いているだけでイライラしてくる.)
さて,不適合の未然防止のツールとして統計的工程管理という手法がある.品質が好ましい水準にあるか否かを,品質特性と規格値の比較によって判断する手法である.
工場長の立場からすると,冒頭の問いへの回答としては,実力ベース,実績ベースなんでも結構であるが,ある一定のばらつきのあるサンプルがあり(昨年分でも,直近30バッチ分でも良い),そのデータと比較して今日の成果がどうであったか答えてもらいたいものである.例えば,
「前キャンペーンのデータと比較してもバラツキの範囲に入っています.今日のバラツキは±1σの範囲内です.ばっちりです.」
「センターの下方で安定して推移しています.しかしこれは冷却水が冷えないという季節的な要因の為で,昨年のこの時期も同じ傾向が見られました.」
工場長は日常的に統計管理とリスクアセスメントは身に着けておかねばならない.
無愛想な従業員がいきなり挨拶してきたら,これは何かを隠している.これも統計管理異常
SDGs ターゲット9.1
全ての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する。
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