独立開業し丸2年が経ちました。
出帆してから新型コロナウイルスという大きな試練が待ち構えていましたが
借金することもなく、家庭にも毎月定額のお金を入れられています。
率直に今心が非常に穏やかで、経営の面白さを感じています。
節目ということあり今の気持ちをブログに残しておくことにしました。
これは昨年書いたコロナ禍でも倒れなかった1年生個人事業主のマネタイズの続編です。
100人の社長がいたら100通りのビジネスモデルがあります。
今からご紹介するのは40才のサラリーマンが脱サラして士業(フリーランス)を
職業にする上での1モデルであり、万人に通用するものではありませんが、
起業する際の2年目の本質は押さえていると思います。
2年目で大切なこと
2年目の事業運営で大切ことが3つあると思います。
事業領域の集中と選択
こまめな見直しと振り返り
情報の目利き
事業領域の集中と選択
1年目は3本足の経営つまり中小企業のセオリーである多角化経営戦略が有効であると述べました。
1年目はこれできる、これもできる、でいろいろ拾っていくと思います。
ここにも顔を出しておく、ここにも登録しておく・・・
これを続けていくと2年目には細かい仕事がぶわーっと増えていくと思います。
今まで待ち焦がれていた・・・
電話が鳴る。(メールが来る。)
小さな仕事の依頼が来る。
これまでにないような労働時間がひっ迫される。
この状況はやっていてやりがいがあると思います。
しかしこのビジネスモデルはどうでしょう。キャッシュは増えていくでしょうか。
いつか破綻しないでしょうか。
そのときケツを捲るか、就寝時間を削って業務をこなすかこれは難しい選択です。
クライアント様とは揉めたくはないもので、この時に重要となるのが事業領域の選択と集中です。
事業領域を決めるのはとても大切なことですが、事業領域の選択と集中は2年目以降でも良いのではないですかということです。
その手法となるのが二軸分析です。
二軸分析
まず集中と選択で重要になるのが今抱えているぶわーっと増えている業務を整理するということでしょう。
ここでの整理法で私はPPM分析をアレンジした二軸分析が良いと思いました。
PPM分析は中小企業の経営資源の投資配分を判断するための手法です。
横軸を市場占有率の高低、縦軸を市場成長率の高低の4つに分類するもので
市場占有率が低くて、市場成長率が低いものを負け犬といいこれは撤退を考えます。
市場占有率が低くて、市場成長率が高いものを問題児と言って撤退か投資を見極めます。
市場占有率が高くて、市場成長率が高いものを花形と言って資金を注入しこの地位の保持を考えます。
市場占有率が高くて、市場成長率が低いものを金のなる木と言って最終的にはこれを目指します。
個人事業主で市場占有率と市場成長率の2軸は少し無理があるのでこれを
縦軸に単価の高低、横軸に自分の気持ちの高低、つまり、やりたいかやりたくないか
の4つに分類することにしました。
単価が低くて、やりたくないもの、これは負け犬です。これは撤退した方が良さそうです。
私の場合、〇〇勉強会などの仕事がそうでした。
単価が低くて、やりたいものこれは問題児です。これは撤退か継続かの見極めが必要です。
これはベテラン先生とやっているもの、ベテラン先生の事業継承にためにやっているものでした。
単価の高くて、難易度が高いもの、これは花形です。セミナー、企業研修講師などが該当するでしょうか。これは定期的にやっていたら良いと思います。
単価が高くて、これからもやっていきたいもの、これは金のなる木です。この領域に集中
するのが良いでしょう。私の場合は当然コンサルティング事業です。
ただし、これは二軸だけの分析ですから例えばシナジーのようなことは全く考慮していません。つまりやりたくないんだけれども、これをやっていると名前が売れて将来の利益につながるといったことです。修行とか長期的な種まきに近いイメージです。
あくまでもそのリソースがあるのであればやっても良いと思います。
ここで言いたいのは、ぶわーっと増えて自分のリソースや就寝時間をひっ迫している状況の時の何を優先すればよいかの整理方法のことです。
こまめな見直しと振り返り
この時期は自転車操業からいくらか脱却ができそうな時期であり、
キャッシュを貯めなくてはならない時期だと思います。1年目の食いつぶし分を補填し、
あわよくば成長戦略の資本金にしたいと思うはずです。
ここでのポイントはこまめな経営の見直しと振り返りを目的に、経営会議を開催し、
資金の見える化、業務の見える化を行います。
おそらく、その体力ができているころだと思います。
この経営会議はISO9001でいうところの品質会議に似ています。
ISO9001では目標の達成状況、不適合の件数、過去の不適合の進捗状況、今後の予定等々
会議をされると思います。
経営会議ではキャッシュが今いくらあって、事業でどのような使い方をして、家庭にどのくらい入れられるかを報告します。
経営者として当たり前のことと言ってはそれまでですが、
私はこれを家内を相手に毎月報告しています。
これでいいよとは絶対言ってくれないと思います。結構きついタスクです。
これを面と向かってやっては夫婦関係にもひびが入ってしまうかもしれないので
家内をランチに誘ってレストランで行います。
おそらく、1年目は海より深い家族の理解があって個人事業経営をやらせていただいたと思うので、そのためにも最大の理解者への報告の機会の設定は大事です。
簡単な報告書的なものを作って、目で見て、口で説明すると、
今やらなくてはいけないことが顕在化します。
最大の理解者様の前でダメなんだと弱音はあまりはかないと思います。
頑張りますと背伸びすると思います。
約束を口にすると思います。
約束を口にするとやらなくてはなりません。
口にした思いは叶うと思います。
月単位ではランチで、半年に1回は少し豪華に
これを「奥様接待」と呼んでいます。
これは私だけがやっている1%のことかもしれません。
数千円のランチで最大の理解者様がそこそこ納得して協力してくれる状況は安いと思いませんか。
情報の目利き
1年目もいろいろな情報に右往左往されたと思います。
2年目も同じです。石ともダイヤモンドともわからない情報が飛び込んでくると思います。
潜在的多義性とでもいいましょうか。そこの目利きが肝要かと思います。
正直こればかりは騙された回数に比例して研ぎ澄まされると思います。
例えば、1年目は独立の極意などを親身に語るサラリーマンがいると思います。
2年目の今どうでしょう?
リスクを負っていないサラリーマンの独立の極意の講義は腑に落ちるでしょうか。
ここのポイントはすべて自分の責任で判断するということです。
だれだれがそう言ったからとか、コロナがとか、言い訳になるでしょうか。
もうすでに他責にすると成長が止まるというご経験があるのではないでしょうか。
経営者は孤独なものです。
3年目の抱負
まず最初から上手くいくことはありません。日々勉強が必要です。
もし最初から上手くいったという武勇伝はビギナーズラックかもしれません。
傍から見たら私の1年目、2年目はおままごとに見えたかもしれません。
しかしおままごとの中でもビジネスの本質が見えました。
一代技術士事務所ではコンサルタントとしての実績が増え、得意な事業領域とビジネスチャンスの絞り込みができた今、技術士(化学部門)の垣根を越えて、中小企業の脱自前化をチャンスと捉え、企業と企業をつなぎ、企業に新たな技術、正しい知識を提供する総合コンサルタントとして事業を起こそうと考えます。
時代は大きく変化しています。自前主義から抜け出そうとしている企業がたくさんいらっしゃいます。
そのような企業とパートナーシップを組むことで社会に新たなシナジー効果を創出できると考えています。
最後に、私は独立、開業、脱サラの推進派の人間ではありません。
サラリーマンはサラリーマンの良さがあり、独立は独立の良さがあります。
ただ、
私の場合、独立していた方が自分の技術士としてのビジネススタイルに合っている。
私が技術士としての目線で、技術士としての矜持を胸に仕事をすることで、確実に世の中は良くなる。
それだけのことです。
一代技術士事務所 鈴木
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