生物指標とは
水のきれいなところと汚れているところとでは、その程度に応じてそれぞれ異なった生物が生息している。このことを利用して、そこに生息する生物の種類から逆に水質を知ろうとするのを生物指標という。
環境省や国土交通省では、水生生物を指標として河川の水質を総合的に評価するため、また、環境問題への関心を高めるため、例えば夏休みなど、一般市民等の参加を得て全国水生生物調査を実施している。
実際にいろいろな河川で調査された結果をまとめると下表のようになる。
(出典:新公害防止の技術と法規2020水質編)

サワガニと遭遇
私は公害防止管理者国家試験の受験対策講座の講師でもある。
「サワガニはきれいな水のところに住んでいます。試験に出るかもしれません」
などと職業柄、生物指標と水質階級の関係を受験生に教えている。
その私が散歩中にサワガニと遭遇した。
サワガニは生物指標Ⅰの生物である。
事実、私は自然豊かなところに住んでいるが、さすがにサワガニと遭遇したら
この水はきれいなのだと認めざるを得ない。
地元の自然の豊かさと、水を汚してはいけないという住民としての責務を散歩を通して、あらためて思う。
ホタルの里の会との出会い
知人に地元でホタルの里の会を運営されている方がいる。
彼の案内の元、彼らのキャンプへ行ってきた。
昨年の台風19号の影響がうそのようにたくさんのホタルがいた。
見事、その言葉につきる。
どれだけ手間暇かけて整備されているのか伺ったところ
定期的に給食など残り物を、条件を整えて散布するそうである。
川を汚すことにならないかと伺ったところ
ホタルは昔から少数の人家のある川下に生息するのだそうである。
きれいな水辺に住むイメージのホタル、人家の川上ではないかと伺ったら、川下だという。
米のとぎ汁など少数の人家から出るわずかな栄養分をホタルのえさであるカワニナという貝が好み生息し、カワニナを好むホタルがそこに生息するのだと聞いた。
もっとものことである。
事実、ゲンジボタルは生物指標Ⅱの生物である。
氏曰く、その負荷量が繊細で伝承が難しいらしい。
全国水生生物調査
環境省のHPを見るとH30年の水生生物調査では、
河川で水生生物を採集し指標生物の同定・分類を行い、地点ごとに、Ⅰ(きれいな水)、Ⅱ(ややきれいな水)、Ⅲ(きたない水)、Ⅳ(大変きたない水)の4階級で水質の状況を判定したところ、全調査地点の65%の地点で「きれいな水」と判定され、前年度(63%)より2%増加したそうである。
(出典:環境省HP https://www.env.go.jp/press/106852.html)

きれいな水65%!!!
自国の水質の美点に落ち着きの良さを感じる。
ホタルを観賞したい方は是非秩父市へ ホタルの、求愛→フラれる→成立がよくわかります。
面白いです。
一代技術士事務所 鈴木
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