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  • 執筆者の写真takashi suzuki

静電気事故防止事例 ~不導体の上で作業してはだめ~

更新日:2020年5月29日

人体除電の基礎は靴と床です。つまり、

  • 静電気帯電防止の作業靴(JIS T8103)を履いて作業すること

  • 導電性のある床で作業をすること

この2つが条件です。


この2つがそろっていないと作業場で静電気の電撃を感じたり

静電気による着火事故につながるケースがあります。


では、この人体除電の条件を阻害するものは何でしょうか。

1)床が不導体でした

2)人が不導体の上で作業していました

3)靴が不導体でした


このようなところです。




1)について

現在化学工場では異物混入防止などのために見た目のきれいな、清掃がしやすい

塗り床にされています。

はたして、その床は導電性のある(静電気を逃がす)床でしょうか?

床の抵抗は漏洩抵抗計で測定します。

床の漏れ抵抗は10^8Ω以下とすることになっております。

(静電気安全指針2007)




もしもこの値が10^8Ωよりも大きい値のときは導電性の除電マットを

使用すると良いでしょう。

ただし除電マットにもアースが必要です。

導電性マットの使用で10^7Ωオーダーが実現できます。(安心です)





2)について

化学工場では様々な化学物質を扱います。例えば色素材料、腐食性物質

せっかく見た目のきれいな床にしても、その床に色素材料や腐食性物質

をこぼしてしまったらきれいな床が台なしです。

化学工場ではそれを嫌がり床に養生をします。

はたして、その養生シートは導電性のある(静電気を逃がす)材料でしょうか?


ビニールなど不導体のシートを敷いてしまうと人体が浮遊導体(アースされて

いない導体)となってしまいます。

静電気事故の原因は、浮遊導体となった人体から放電するというケースがとても多いです。

ビニールシートの使用で10^12Ωオーダーになってしまいます。(とても危険)







このような場合、ビニールシートではなく紙で養生しましょう。

紙は導電性がありますので静電気を逃がしてくれます。

2枚重ねでも10^7Ωオーダーです。(安心です)





2枚では心もとない場合は何枚か重ねても問題ありません。(限度にもよりますが)

新聞1日分でも10^8Ωオーダー前半でした。





3)について

静電気帯電防止の作業靴(JIS T8103)を履いて作業して下さい。

静電気帯電防止の作業靴のソールの抵抗は感電防止も考慮して10^5~10^8Ωで

設計されています。

面倒くさいからと言ってサンダルでとか、スニーカーでとかはNGです。

お客様用の履き物や、長靴も注意しましょう。


この程度の工夫で明日から安心安全な現場になります。


一代技術士事務所 鈴木




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